読書メモ 理工書

ジャンル分けはかなりアバウトです. どのジャンルも同じ数になるように設定くらいの感じです.


数学

 
微分方程式で数学モデルを作ろう

大学一年生や高校生でも読めるレベルの数学で, 微分方程式で現実世界の現象をどのように説明できるのかを解説. 特に, 微分方程式を習ったけれど数学自体に面白さを感じられなかった人は, 読んでみるといいかもしれない.

また, データ解析をする人にもおすすめ. とりあえず線形回帰!, 指数回帰!ではなく, 一歩立ち止まれば, 案外微分方程式で表現できる現象かもしれない. そうすれば, 明快な解釈性をもつ回帰式が作れると思う.

基礎系 数学 最適化と変分法 (東京大学工学教程)

厳密な証明は省いてあるが, 網羅的かつアルゴリズムの目的, 直感的意味, 具体例が充実していて整理がつく. 通勤中でも楽しくよめる教科書.

統計学

 
極値統計学 ISMシリーズ:進化する統計数理

降雨の超過確率を扱う以上, 理論を学ぶべきだと思い読んだ.

極値分布とはなんたるか, を述べる2章は簡単ではないが, そこを超えてしまえば, 数式が多い見た目ほどは難しくない. 最尤法や情報量行列などの統計学の基礎を知っていれば, 細かい数式を追わなくても, どのようなアプローチで パラメータ推定を行っているかなどは容易にわかるように書かれている.

Rを用いた実用例が多い点もよい. 極端なことを言えば, 各章の実践編だけ読めば極地統計を使えるようにはなると思う.

機械学習

 
ゼロからできるMCMC マルコフ連鎖モンテカルロ法の実践的入門 (KS理工学専門書)

勉強中. JULIAでコードを書いてJULIAの勉強を兼ねています.

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  • 連続体

     
    複素解析と流体力学

    複素関数, 特に正則関数とポテンシャル流れの繋がりがわかる素晴らしい本. 前半は複素関数について, 後半がポテンシャル流れについて.

    これを読むと, 著者の仰るとおり正則関数は全て流体の流れに見えてくる. そして, 複素関数をより直感的に感じられるようになる. また, 複素関数は美しく可視化もできるので, 学んで, 絵を描いて楽しめる.

    土木分野では, 複素数とポテンシャル流れの授業があるが, どちらも必要不可欠というわけではなく, 学生のみが入りにくい. もし将来授業することがあるならば, 是非この本のスタイルで教えたい.

    Pythonで学ぶ 流体力学の数値計算法

    勉強中. JULIAでコードを書いてJULIAの勉強を兼ねています.

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  • 土木

     
    ダムの科学[改訂版] 知られざる超巨大建造物の秘密に迫る (サイエンス・アイ新書)

    我らが研究室の先生が一員となって出版した本です. 施工などのパートに関しては, 決して容易ではないですが, ダムの運用役割に関しては図も多く わかりやすいと思います.

    ダムの芸術性に関する書籍は多いですが, 優しい総説は少ないと思うので, ダムに興味がある人は, 一冊目におすすめです.

    コンピュータ・プログラミング

     
    1から始める Juliaプログラミング

    何か言語をやってるとすっと読めるかもしれんけど, これで初めてプログラミングを始めるのは厳しいかも.

    例が多いというより, Juliaの構造をしっかり把握しようという意図やとおもう. これを読めば, 適切にネットから情報を探してきたりできるようになると思う.

    メタプログラミングと高速化のところが特に勉強になった. 研究で若干, 数値流体計算が必要になるかもしれんから, Juliaでチャレンジして, 記事を書きたい.

    コンピュータはなぜ動くのか 知っておきたいハードウエア&ソフトウエアの基礎知識

    最初にCPU, メモリ, I/Oの說明があり, そこに結構骨がある. ここを乗り切ればあとはするする進む. 骨はあるが, とてもわかり易い. 最短経路やとおもう.

    リストや配列のメモリ構造に基づく解説は目からウロコやった. Cとかで書いてる人には常識なのかもしれんけど. MATLABやJuliaを使ってるかぎり, しらなくてくてもやっていけると思うけど, モヤが晴れたようで満足感がある. あと, 高速化など高度なことをするためにはやはり必要な知識やと思う.

    プログラムはなぜ動くのか 第3版 知っておきたいプログラミングの基礎知識

    『コンピュータはなぜ動くのか』より難しく思いました. 二冊目としてこれを読むと, 復習かつステップアップに良いと思います.

    盛りだくさんなので, トピックは目次等を見てほしいですが, 図が多いのがありがたいです. 次々と出てくる専門用語を全て文章で理解するのは厳しいですが, 簡単な概念でも大きな図を使って 說明してくれているので, 非常に助かります.

    ネットワークはなぜつながるのか 第2版

    とにかく, 図が多い. それが助かる. ネットワークの知識が必要で読んだわけではないので, 全体を記憶はしていない. けれど, 図と詳細な解説のおかげで, 局所的にどのようなことがなされているのかはかなりイメージがついた.

    MATLABプログラミング入門

    プログラミングをしたこともなく, MATLABを学びたい人は, これがいいと思います. 本当に基礎の基礎から書かれており, 簡単です. ただ, 図のあたりからは, 結構情報が増えてきて複雑なので, 覚えようとせず実践で学ぶほうがいいかもしれません. ( もしくは, 次に紹介する本などに進む )

    プログラミングは, ネット情報で十分かもしれませんが. . .

    MATLAB対応 ディジタル信号処理

    MATLABを学びたくかつ, 信号処理がしたいという明確な目標がある人 ( 私がそうでした ) は, こちらもおすすめです. 図を含めて全てのコードが載っているので, MATLABで計算して図にするところまで学べます. 長く, 僕は図を描く際に参照していました.

    本来は, 数学コーナーで紹介するべきだったかもしれませんが, 私のMATLABスキルの礎を 作ってくれた本なのでこちらで紹介しました.

    MATLAB/Scilabで理解する数値計算

    別に, 信号処理に興味があるわけではないけれど, 実践的にMATLABを学びたい人, 何か計算目標がないと続かない人にはこちらをおすすめします.

    {解析, 熱, 量子, 統計}力学など

     
    熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ)

    熱力学という学問の進化の過程を追うスタイルで記述されている. なにか抽象的な概念が天下り的に与えられるのではなく, 物語性があるのでワクワクよめる.

    目に見えない熱という存在を理解するために, 熱が存在する空間をつっついて返ってくる反応から 解明するというアプローチが面白い.

    力学 (増訂第3版) ランダウ=リフシッツ理論物理学教程

    噂通りの難しさ. でも, 頑張って食いつけば, 相当力学現象がクリアにみえる. いつか解説記事とか書きたい.

    難しさの多くは, 積分の練習を積んでいるかにかかっていると思う. 数学の問題集ではみないような複雑な計算を求められる.

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