読書メモ 人文書


歴史

 
世界全史 「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力

私のように, 高校でも世界史を学ばなかったような, ほとんど全くの世界史初学者におすすめします.

誰でも, 紀元前, 中世, 近世, 世界大戦などとぎれとぎれの世界史のイメージがあると思います. この本は, それらの変遷の因果関係を強調しています. 決して詳細な世界史教科書ではありませんが, 古代から現代の流れを因果と連続性があるものとして 認識できるようになると思います.

集英社 まんが版 世界の歴史 全10巻セット (集英社文庫)

まんがと侮るなかれ. これを読むには根気がいりますが, マスターすれば, 一般的な人文書を 読むのに困らない知識がつくと思います.

ところどころ, 学者のコメントなどが入っていますが, 全く子供向けではありません. このまんがで世界史を本気で学ぼうとしていいと思います. 私はかれこれ5周しましたが, まだまだという感じです.

詳説世界史研究

『まんが版 世界の歴史』を読んだあとに読むと, 良い復習になります. 漫画にでてきた人物や建物の実際の絵や写真が出てくるので, それを比べるという楽しみ方もできます.

歴史とは何か (岩波新書) - E.H. カー

一昔前のイギリスの歴史家に対する講演録というかんじで, 簡単ではない. しかし, 「歴史とは、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話なのであります」という有名な一節はやはり重みがある. とくに, 私のような理系にとっては「過去の一瞬一瞬の客観的な出来事」こそが歴史だと思いがちだった. しかし, 歴史は主観性を免れえないし, だからこそ価値があることを教えてくれた.

政治

 
政治学史

何回も読んでいる. これを完全に理解するのが大きな目標.

極めて密度が濃い. しかし, 行間が大きいというわけではないのでゆっくりゆっくり読めば理解ができるが, なんせ情報量が多いので記憶に留めるのが難しい. 一文に大きな物語が込められているよう.

しっかり理解したら, もう少し具体的なことをかきたい.

西洋政治思想史 (有斐閣アルマ)

政治学”通史”の単著書籍は少ない. その中で難しすぎないのはこの本だと思う. 福田政治学史では扱わないヘーゲル以降もある. 語りかけるような口調がまた, よい.

次に読むべき文献が, 章ごとに多数あげられているのがとてもよい.

リヴァイアサン1, リヴァイアサン2 (光文社古典新訳文庫) - トマス・ホッブズ

2021年春-秋読書会.
前半の人間観察が緻密で面白い. 共感できることも多い. 後半の主権に関する記述は, 論理的ではあるけれど, 君主に託す力が強すぎるように感じる. ただ, 主権を個人・団体ではなくシステムだと思うと, まだ納得ができるかも?

完訳 統治二論 (岩波文庫) - ジョン・ロック

2021年秋-冬読書会.
前半のフィルマー批判は, 宗教的すぎて, ホッブスよりも古風に感じられる. 後半の統治に関する理論は, ホッブスのそれよりも現代社会に近いように感じられるが, 聖書に依拠していると考えると, 現代社会でそれをどう正当化するのか, と疑問が残る.

ジョン・ロック――神と人間との間 (岩波新書) - 加藤節

決して簡単ではない. 『統治二論』を読んでいなければちんぷんかんぷんだったかもしれない. ロックの思想とロックの生き方との関連に焦点が当てられているのが面白い. 召命として生涯真理の追求を止めなかったロックの生き方は尊敬する. 最後に, 宗教的なロックの思想を現代日本にどう活かせるかという話題に触れられている.

経済

 

哲学

 
生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

人生は短い, が短くしているのは自分自身の選択によるかもしれない. 人のためばかり, 快楽のためばかり, 仕事のためばかりに生きていないか.

エリートの人にこそ読んでほしいなと思う本. 俺のことを言ってる?と思う瞬間があるはず. もしかして, 年をとってから, この本を読むと後悔するかもしれない.

よみがえる古代思想 「哲学と政治」講義I (講談社学術文庫)

古代ギリシア〜セネカ ( ローマ帝国 ) くらいまでにかけての思想史. 講演をもとにしているので, 一般人向けで非常によみやすい. また, 雑学的内容も多く面白い.

一般的な思想史は, 古代ギリシアといえばソクラテス, プラトン, アリストテレス. という感じでピンポイントやけど, この本はその間の出来事や, ソクラテス以前のギリシアについて, ギリシアのポリス世界ーローマの帝国の変遷について, など主要な出来事のはざまについても多くを語ってくれる ところが面白いと思う.

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